「備 前 焼」

瀬戸、常滑、丹波、信楽、尹賀、などとともに、日本最古の陶器として「備前」はあまりにも有名ですが、それらの窯は途中から釉薬にかわり、そのうえ幾百年の長い間の空白ももっており、しかも現在は衰退の一途をたどっているものもあります。しかし「備前」は釉薬に変わることもなく、一日たりといえども煙の絶えたこともなく、一千年の長い間、脈々として焼き続けられ、往年にまさる隆盛をきわめております。ことに近年は「備前焼」に魅了された外国人の数は年ごとに激増しているのです。他国から影響されない真の日本の陶器として、その素朴さと、言いしれない枯淡な味に絶対の魅力を感じるからだと思います。抵抗のない、あくことをしらない、この「備前」のもつ「霊幻の美」こそ、全く最高の美だといえましょう。

備前焼 工房 王 子  赤 畠  太